薬品

処理剤ヘマチンについて

ヘマチンは髪や頭皮にさまざまな効果をもたらす成分として注目されています。

ヘマチンの驚くべき効果とは。髪と頭皮ケアに取り入れたい理由

今回はヘアケア成分として注目を集めているヘマチンについてご紹介します。ヘマチンは、髪や頭皮の健康をサポートする効果があると言われています。そんなヘマチンの効果と、日常のヘアケアに取り入れる方法を詳しく見ていきましょう。

まずヘマチンの効果を知る前に非常に関わりの深い過酸化水素を知ってもらう必要があります。

過酸化水素とは

過酸化水素の効果と役割

過酸化水素とは美容業務において切っても切れない物質です。もしかしたらこの先これに変わるしかも髪にも頭皮にも優しい科学物資がでてくるかもしれませんがこの何十年間変わらず使用されています。

過酸化水素はカラーの2剤、パーマの2液、ストレートの2液で主に使用されています。そうなんです薬剤施術ほぼ全てに関わっているんですね。

過酸化水素は美容業務の薬剤施術において酸化という作業を担ってくれています。これは非常に大切な作業でカラーにおいては薬剤の色を発色させます。パーマとストーレートにおいてはカールを酸化で定着させ、まっすぐを定着させるのです。しかも同じかそれ以上の仕上がりでこれに変わる物がないのです。

もしかして厳密に探せばあるのかもですがきっと皆様がカラーやパーマを今の価格帯や施術時間で楽しむことはできなくなるでしょう。

過酸化水素の毛髪や人体へのデメリット

上記で過酸化水素が必要なのはわかっていただけたかと思います。ではそのデメリットなのですがこちらが非常に問題です。

  • 1 過酸化水素は活性酸素です。活性酸素は過剰にあると老化を促進します、昔水素水が流行った理由はこれですね。水素のHと酸化のOがくっついてHOになって無毒化して体から排出されるという物なんですが実際は水素はかなり分子量が小さいのでペットボトルですら貫通して抜けていくようです。
  • 2 水洗やシャンプーでは完全に流れてくれない
  • 3 毛髪に残った過酸化水素はカラーの色落ち、ダメージをおこします
  • 4 頭皮に残った過酸化水素は頭皮から出てきた皮脂を酸化し過酸化脂質を生み出す。過酸化脂質はも毛乳頭にダメージを与え薄毛、細毛の原因になります。

必要なのにデメリットもある厄介ですね

そこで過酸化水素に働いてもらった後に無効化できないのか?となるわけですが、ここで出てくるのがお待たせしましたヘマチンです

ヘマチン

1. ヘマチンとは?

ヘマチンは酸素を運搬する役割を持つヘモグロビンの分解産物です。ヘアケア製品に配合されることが多く、髪や頭皮に良い影響を与えるとされています。

2. ヘマチンの効果

髪のダメージ修復: ヘマチンは毛髪内部のケラチンと結合し、ダメージを受けた髪を補修する働きがあります。これにより髪の強度が増し、枝毛や切れ毛を防ぐ効果が期待できます。

白髪予防: ヘマチンはメラニンの生成を促進する効果があり、白髪の発生を抑制する可能性があります。継続的に使用することで白髪予防に役立つとされています。

PPT(たんぱく質)の定着率UP :ヘマチンは毛髪に必要なPPTの定着率をあげてくれます。補修系のシャンプーやトリートメントとの相性も◎

パーマやカラーの持続性アップ: ヘマチンはパーマやカラーリングの後に使用するとその効果を持続させる働きがあります。これにより、サロンでの仕上がりを長く楽しむことができます。

頭皮環境の改善(活性酸素の除去): ヘマチンには抗酸化作用があり、頭皮の健康を保つサポートをします。これにより抜け毛の予防や健康的な髪の成長を促進します。

3. ご自宅でのヘマチンの取り入れ方

  • シャンプーやトリートメント: ヘマチン配合のシャンプーやトリートメントを選ぶことで、日常的にヘマチンを髪に取り入れることができます。毎日のケアで手軽に効果を実感できます。添加は5~8%程度が良いです
  • ヘアマスクやパック: 集中的なケアをしたいときには、ヘマチン配合のヘアマスクやパックを使用するのもおすすめです。添加は5~8%程度が良いです

参考文献 https://www.jstage.jst.go.jp/article/koron/75/1/75_2017-0053/_pdf

活性酸素

活性酸素はミトコンドリアでのエネルギー代謝(細胞内での呼吸)の際にある一定の割合で生じることが知られています。つまり誰にでも作られていますが体の生体反応により除去されます。

そこに喫煙、飲酒、過食、ストレス、激しい運動、紫外線、排気ガス、加工食品、薬品などによって体内で活性酸素が体に過剰につくられるようになり、体内で処理できずに体に様々な影響を与えるのです。

活性酸素には様々な物質があります。種類としてはスーパーオキシド,過酸化水素,ヒドロキシラジカル,一重項酸素 の4つです。

この中で美容業務に関わるのは薬品過酸化水素になりますね。

ヘマチンの薬剤除去効果

  1. パーマやカラー後のアルカリ除去:
    パーマやヘアカラーの施術後、髪にはアルカリ性の薬剤が残留しています。シャンプーのみで完全に取り除く事はできません。これも自宅に戻ってからの髪のダメージや色落ちの原因となります。ヘマチンはこの残留アルカリを除去する働きもあり髪や健康を保つサポートをします。
  2. 還元剤の除去 パーマ剤の中には毛髪内部の結合を切る還元剤が入ってます。これも洗っただけでは完全に取り除く事はできないうえ、やっかいな事に髪が濡れるたびにまた働き出します。縮毛矯正の後に「少しの間耳にかけたり括ったりは控えてください」とか当日は洗わないようにと言われた経験はないでしょうか。これは残留する還元剤を見越しての話なのです。なんとこの還元剤もヘマチンは除去してくれます。
  3. 髪のpHバランスを整える:
    髪や頭皮のpHバランスが崩れると、健康な状態を維持することが難しくなります。薬剤のpHは8~9あたりのアルカリの物が多く、健康な肌(頭皮)のpHは4.5〜6あたりの弱酸性になります。ヘマチンは髪のpHを正常な状態に戻す手助けをしてくれるため、髪のツヤや手触りの改善にも役立ちます。ヘマチンのpHは酸性帯であるため髪につけた直後は収斂しますので若干きしみを感じますが、ダメージが進んだり髪に悪いわけではありません。その後のトリートメントや処理剤できしみは全く感じなくなりトリートメントの効果が高まるのでその後の質感は断然良くなります

ヘマチンの薬剤除去効果を活用することで、髪と頭皮の健康を維持し美しい仕上がりを長く楽しむことができます。特にパーマやカラーを頻繁に行う方にとってヘマチンは非常に有効な成分となります。

過酸化水素や残留アルカリ、還元剤はお客さまが家に帰ったあとに数日かけて悪さをします、特に髪が濡れている状態で活発になるので乾かさない方はよりダメージが進行してしまいます。

ヘアスタイルでおしゃれや身だしなみを楽しみながら大切な髪を綺麗に保つためにヘマチンほど都合の良いアイテムは他にないと言っても過言ではないかもしれません。

ヘマチンの効果は一朝一夕では感じにくい物です、即効性もなく地味ですし良い香りもしません。メーカーにもよりますが見た目も大体黒っぽい茶色みたいな感じです。

薬剤で酸化するからといって明日に急に頭皮がおじいさん、おばあさんになったりするわけでもありません笑

ダメージが進行すると言っても急に次の日に切れ毛になるわけでもありません。ですが確実に肌は老化が進みますし髪のダメージも進みます。

残留アルカリや活性酸素の厄介なところは良くも悪くも目に見えないし即効性のあるダメージではないんですよね。なのでお客様はもちろん美容師サイドでも軽視されがちだったりします。

美容室でするシステムトリートメントは一気に髪がサラサラ、しっとりしますし香りも良いです。なので多くの方がトリートメントが重要だと思われますが個人的には残留処理をしてくれるアイテムの重要性はそれ以上だと思います

まとめ

ヘマチンは美容施術においては救世主レベルの神アイテムならぬ髪アイテム、絶対使って損はなしです。

薬剤を使う施術をされる方はぜひ取り入れみてはどうでしょうか。もちろん即効性のあるシステムトリートメントと一緒にすることも問題ありません。即効性のあるトリートメントと縁の下の力持ちで内部からじわっと髪と頭皮を守ってくれるヘマチン

どっちも捨て難いですね(悩)

くらの美容室ではヘマチンを使った処理剤を他の毛髪強化成分とセットでAM処理剤として提供しています。メニューの多様化によりなんなのかよくわからないとお声をいただくのですが予約サイト内では文字制限があり、なかなか良さをお伝えできないので今回はブログにて解説させていただきました。

ご来店の際にはぜひ施術に取り入れてみてはいかがでしょうか

この記事がみなさんのお役に立てば幸いです

それでは次の記事でまたお会いしましょう


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