最新科学での薄毛対策って今どうなってんの?

美容師として従事していてすごく悩ましい問題があります・・・それは薄毛です。

一般的な美容師としての技術や学んできた知識で毛髪を増やしてあげることはできません、ですが多くのお客様はこの悩みにぶつかる時がきます。

かくいう私も「大丈夫。まだ大丈夫!」なんてつい言いたくなりますが寄る年波には勝てません。髪の毛自体が細くもなりましたし、本数や抜け毛もやはり増えてしまいます。

一昔前までは薄毛は中年男性の悩みみたいな印象がありましたが昨今ではストレスでの薄毛やFAGA(『F』emale女性のAGA)など年齢性別問わずありますし、生まれ持った遺伝によって髪の毛が細い少ないなど様々な形となって現代日本人の悩みになっています。

そんな中で美容師としてアシスタントの頃から男女問わずお客様との会話で「最近薄くなってきて困ったわ〜」とか「ワカメが良いって聞いたことあるけど本当?」「良い育毛剤って何かないかな?」なんて聞かれてきましたし、未だ耳にする質問です。

当初は「規則正しい生活が〜」なんて返答や「遺伝って辛いですよね〜」と

一般的に知られている対処や注意事項をお伝えしていましたが

お客様は美容師は髪のプロだと思ってもっと詳しい情報があるんじゃないか?と期待して聞いてくれていたと思うんですが、お恥ずかしい話薄毛に関してそこまで勉強はできていませんでした。

技術の勉強、接客の勉強、お客様への気配り、スタッフへの気配り、後輩への指導。新しい技術の勉強。常にタスクがいっぱいだった・・・なんて言い訳ばかりが浮かびます。

後回しになってきた素朴なこの疑問をお客様(自分の薄毛)のためにしっかり調べてみようと思いました。

今現在、科学的に立証されている薄毛対策について最新の論文を勉強した上で解説していきたいと思います。

※論文は英語で私は翻訳アプリを使って勉強したので、もし間違いや誤解があったらすぐに訂正致しますのでご了承ください。

薄毛のメカニズム

薄毛になる理由としてはホルモンの影響や遺伝、食生活やストレスなどの様々な要因が考えられています。

それを踏まえて毛髪が生えてくるメカニズムから確認していきます。

毛髪は伸び続けるわけではなくある程度成長してから自然に抜け落ちます。そしてまた同じ毛根から新しい毛が生えてくるというサイクルをくり返します。
これをヘアサイクルと呼びその段階を成長期、移行期、休止期としています。

ヘアサイクル

成長期 毛の生えはじめから、成長が止まるまでの間で通常2~6年くらい
今生えている頭髪の85~90%だとされています。

移行期 成長期から休止期に移行する過程の一時期で約2週間
今生えている頭髪の1%と言われています。

休止期 毛根が退化してから脱毛するまでの期間で約3ヶ月間
今生えている頭髪の9~14%だとされています。

薄毛の原因

薄毛の定義

薄毛にも色々な形があります。本数はあまり変化はないけど毛髪自体が細くなる場合、髪の本数そのものが減ってしまう場合があります。

毛髪は1つの毛穴から約2~3本生えています。 日本人の一般的な人で1c㎡に約150本で髪は全体では約10万本生えていて平均的な毛髪の太さは0.07~0.08mm程度です。

(欧米人は約15万本生えていると言われていて毛髪の太さは0.05~0.055mm程度で日本人の毛髪よりも細いのですがコシがあってしっかりしてます。まだ勉強不足だった時に欧米の方のカラーを日本人と同じ感覚で細い髪質と思って薬剤を選定したのですが全く染まらなくて半泣きになったことを思い出します笑)

髪を平均約10万本として計算すると、1日に50本から100本の抜け毛は自然な範囲といえます。

それ以上の抜け毛の本数がある状態が続くようなら薄毛が始まっている考えられます。


薄毛の原因は主に4つあると言われています。

男性ホルモン(AGA)型 遺伝的に男性ホルモンに影響される人や生活習慣や食事の悪化、ストレスなどが原因でなることが多い薄毛(AGA)です。

男性ホルモンのテストステロンと5αリダクターゼと呼ばれる酵素の結合による、ジヒドロテストステロンの発生です。毛乳頭細胞には男性ホルモンレセプターと呼ばれる受容体がありジヒドロテストロンは男性ホルモンレセプターに取り込まれます。それにより脱毛因子TGF-βが発生し髪の毛を成長期から退行期へと移行させます。

(男性ホルモンレセプターの感受性は隔世遺伝するとされています。隔世遺伝とは、祖父母以前の世代の遺伝子を世代を超えて引き継ぐことです。

ですので両親が薄毛でなくても先祖に薄毛だった人はその子孫となる方は男性ホルモンレセプターの感受性を引き継ぐ可能性があります

結果、成長期が短くなり次の髪の毛が生えてくる前に抜け毛の方が加速していき薄毛が進行するというのがAGAのメカニズムです。

血液循環不良型 髪の毛は毛細血管から栄養を得て太く長く伸びていきますが、血流が悪くなると成長が鈍り細くなったり抜けやすくなったりします。

脂漏型 皮脂が多い毛穴が詰まったり炎症が起きるなど、髪の成長を邪魔してしまいます。

頭皮緊張型 姿勢や成長などの要因で頭皮が突っぱってしまい頭皮の毛細血管を圧迫して血流が悪くなって栄養分が充分に行き渡らなくなったり毛乳頭細胞の活動が低下するなどして薄毛を引き起こします。

4つの薄毛原因を挙げましたが、もちろんどれか一つだけの影響で薄毛になることもあるようですが、複数の要因が重なってなることもありどれか一つを解決したら薄毛が回復するとは限らないようです。

脱毛症

薄毛のメカニズムからくる脱毛症を確認していきます。

男性型脱毛症(AGA)

男性ホルモンが主な原因で薄毛が進行する脱毛症です。、上記の薄毛のメカニズムでも説明しましたが、ヘアサイクルの成長期が短縮されて毛根が小さくなってしまいます。
遺伝的な薄毛にストレスや食事、生活習慣などの影響も大きいと考えられています。

産後脱毛

ホルモンバランスの乱れから分娩後の女性に脱毛が起こることがあります。

産後脱毛(分娩後脱毛症)は子供の出産を経験した女性の8割以上が起こるといわれています。基本的には経過とともに自然に戻りますがいつから脱毛が始まりいつまで続くのか不安になりますよね。

産後脱毛は多くの方が出産から2~3ヶ月後からわかりやすく抜け毛が増えます。妊娠中はエストロゲンというホルモンの活発化によって毛髪は成長しつづけ抜けにくくなります、ですが産後にはホルモン量が低下し成長期の毛髪が退行期と休止期を経て脱毛期を迎えこの落差で抜け毛を実感しやすくなります。

この退行期の期間は約2週間、休止期は3ヶ月程度と言われています。そのため産後すぐに脱毛するのではなく退行期と休止期ののち脱毛しているので2~3ヶ月経った後に脱毛する方が多いようです。

髪は大体1ヶ月に1cmと考えられていますので出産から約半年から1年程度で抜け毛が収まったと感じるようになると思われますが、産後脱毛中にその他の脱毛要因が加わると産後脱毛で毛髪が減ったままと勘違いしてしまうこともあります。

びまん性脱毛症(FAGA)

びまん性脱毛症(以下FAGA)は中年以降の女性の薄毛の主な原因になっています。FAGAは女性ホルモンの著しい減少で起こるとされていて初期症状では分け目が広がったように感じたり抜け毛が増えたりします。分かりにくい症状なので、初期の段階ではFAGAだと気付きにくいと言われています。

男性型の脱毛症と違い全体が薄くなります。ストレスや加齢、過度なダイエット、間違ったヘアケアやホルモンバランスの乱れなどによって、ヘアサイクルの成長期が短縮し、軟毛化や脱毛します。

FAGAで現れる主な初期症状としては、分け目が広がったように感じたり、抜け毛が増えたりします。一見して分かりにくい症状から始まるので、初期症状の段階ではFAGAだと気がつかないことがほとんどです。

円形脱毛症

コインのように円形状に毛が抜け落ちます。多発して頭全体の毛が抜けることや、全身の毛が抜ける場合もあります。
ストレスが引き金になることもありますが、自己免疫によるものと考えられています。

粃糠(ひこう)性脱毛症(脂漏性脱毛症)

皮脂分泌の異常が原因で起こる脱毛症でフケが増え感染や炎症が起きて毛根の発育に影響がでて脱毛します。粃糠とは、粃(実のないもみ)や糠(ぬか)のように役に立たないものという意味で、フケのことを指します。

抜毛症(トリコチロマニア)

頭髪、眉毛など正常な毛を自ら引き抜いてしまう癖によって生じます。本人が自覚せずに無意識のうちに抜いていることもあります。筆者は抜毛症を「こんな物理的に髪を減らす行為も脱毛になるの?」と思いましたがあちこち調べてみてもやはり脱毛症の一つとして数えるようです。

薄毛対策

薄毛のメカニズムや脱毛の種類を踏まえた上で、どう対策していくかを書いていきます。

対策は2つあります、対処療法と予防です。

対処療法(薬物療法)

効果

薄毛を気にされている方なら一度は聞いたことがあるかもしれませんが対処療法で科学的に発毛効果が認められているのは”ミノキシジル”だけ”になります。

ミノキシジルはもともと高血圧治療の内服薬の成分としてアメリカで開発されました。 その臨床試験中に多毛症(体毛が濃くなる症状)の発現が報告されたことから発毛剤の成分として開発が進められました。

現在は飲み薬と塗り薬がありますが内服薬は海外では高血圧や薄毛の治療薬として利用されていますが、日本では安全性が確認されていないことから、高血圧の治療薬としても薄毛の治療薬としても認可されていません。(塗り薬のみ認可されています)

毛細血管を広げ血流を促し毛乳頭に血液が流れやすくなり発毛効果が促されるというメカニズムです。発毛効果は科学的に証明されていますが脱毛や軟毛・薄毛化を抑制する効果はありません。

軟毛や薄毛の抑制に対してはフィナステリドという薬が科学的に効果が証明されており、薄毛対策としてミノキシジルとフィナステリドはセットで使用されることがほとんどです。

フィナステリドも元は前立腺肥大症の治療薬として研究されてました。この試験中に男性型脱毛症(AGA)の患者に発毛効果が認められたことから、AGA治療薬としても臨床開発がされ今に至ります。男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(DHT)を抑制する働きを持っていて、5mg/日の安全性が確認され認可を受けています。

後にフィナステリド1mg AGA治療薬として承認を受け、日本でも2005年に厚生労働省の認可を受けこの成分を含有するプロペシア錠が日本で販売されることになりました。

副作用

ミノキシジルの外用薬では頭皮の発疹や皮膚炎といった塗布部分に現れる副作用が報告されています。日本では内服薬は認可されていないので内服時における副作用は詳しくは書きませんが内服時における副作用も報告されています。

フィナステリドの内服では、肝機能障害、性欲減退、抑うつ症状などが報告されています。上記の文字だけみていると少し怖い気もしますが日本皮膚科学会のガイドラインで報告されている臨床試験の結果では身体に重篤な影響を与えることはほとんどないとのことでした。

薄毛予防・改善

薄毛の予防や改善には睡眠や食生活、ストレス対策や喫煙、頭皮ケア等みなさんがパッと思いつくようなことはもちろん含まれます。

ですがこの記事ではそういった数ある予防の中で食生活についてまだ日本ではあまり浸透してない薄毛予防科学的根拠のある論文がございましたのでそちらについて解説していきます。

ゼラチン(ゼラチンパウダー)

今回の記事で一番お伝えしたかった薄毛対策がこちらのゼラチンです。ゼリーなんかに入ってるあれです。

最近の論文でゼラチンが薄毛に対しての効果があることがわかっています。

①髪の成長が50%アップする

②髪の直径がアップする

③髪の本数がアップする

現時点で髪に対してのこの3つの効果がわかっています。

簡単に書きましたがすごい効果ですよね、世に溢れるほとんどの育毛、発毛剤の効果が科学的に証明されていない物ばかりなのに身近にあった食材でこんなに効果のあるものがあるなんて私もびっくりしました。

ゼラチン(コラーゲン)の効果

なぜゼラチンが髪に対してこんなに効果があるのかというとゼラチンの主成分が関与しています。ゼラチンの成分はコラーゲン8割と水2割で構成されたタンパク質になります。

コラーゲンは皆さんも聞き馴染みがあってなんか体にいいやつってイメージをお持ちだと思います。

コラーゲンはタンパク質の一種で髪や爪、肌などもタンパク質でできていてそれらの材料になります。

またコラーゲンには血流を良くする効果もあります、血液の中には100種以上のタンパク質があり、血液を運ぶ血管もタンパク質で構成されています。コラーゲンを摂取することによって血管が補強されコラーゲン不足によって引き起こされる動脈硬化や高血圧なども改善されて血流が改善されるというわけです。

年齢を重ねていくとコラーゲンの供給が減っていき血管や肌爪、髪の老化につながるのですがゼラチンを摂取することによってそれらが改善されるということになります。

過去の研究で最近まではコラーゲンを摂取しても胃や腸で分解されてしまうので吸収された時にまたコラーゲンになるわけではないと言われていました。

タンパク質は20種類のアミノ酸の組み合わせによって構成されていて、摂取されたタンパク質は分解の際にアミノ酸レベルまで分解されてその時に体が最も必要としているタンパク質に合成し直されて身体のあちこちに運ばれていくと言われていました。摂取したタンパク質はどの形になって吸収されるかはその時々によって変わるとされていたのです。

ですが最近の研究によってコラーゲンはアミノ酸まで分解されずその一歩手前のペプチドという形までしか分解されないことがわかってきました。コラーゲンはコラーゲンペプチドまでしか分解されないということです。コラーゲンペプチドまでの分解だと再合成される時はまたコラーゲンになることが多いということがわかってきたのです。

※再合成については大まかにはわかってきたようですがまだ完全に科学的に証明されたわけではないようです。

薄毛・脱毛予防以外にも、 最新の論文ですごい健康改善数値が出ていることが判明していますのでぜひ摂取したいところですね。

おすすめのゼラチンパウダーと使用例

ゼラチンにもいくつか種類があるようですがこだわって選びたいならフィッシュゼラチンをお勧めします。

そこまで高価なものでもありませんし、動物性のコラーゲンに比べて吸収率が高いということです。国産で無添加の物もネットで簡単に手に入ります。

もちろん、簡単なスーパーで手に入るコラーゲンからスタートしても全然問題ありません。

ゼラチンを摂取するとなっても毎日ゼリーを食べるわけにはいきませんので自分で試した食べ方とネットにあるおすすめ摂取方法を記載しておきます。

味噌汁やスープ類 あつあつの味噌汁に小さじ1杯程度で召し上がってみてください。あったかいうちは言われないと全くゼラチンが入ってることすらわからないと思います。冷めてくると少しもったりしてくるので温かいうちに飲むことをお勧めします。

コーヒーやお茶類 こちらも温かいうちでしたらあまり違和感なく飲めるかと思います。

ヨーグルト 粘性は出ますが相性は悪くなく美味しくいただけるかなと思います。

ラーメン 試したことはありませんが全然問題なく食べれそうですね。近いうちにチャレンジしてみます。

鍋料理 涼しくなってきたら鍋料理簡単で美味しいですよね。ここにゼラチンをいれて簡単薄毛対策です。冷めたら固まるので温め直してください。

タンパク質は若干の匂いがありますが、香りの強い物と一緒にとるとほとんどわからないと思います。他にも調べればたくさんレシピはあると思いますのでよければお試しください。

今回の記事が皆さんのお役に立てば幸いです。お薬の作用・副作用もありましたので慎重に記事にしたため説明が多くて読みにくかったかもしれませんがご容赦ください。

最後までご覧いただきありがとうございました。

筆者は美容は健康からと常々思っておりますので、ゼラチン(コラーゲン)についてはまた詳しく記事にしたいなと思いました。

それではまた次の記事でお会いしましょう。


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