トリートメントと処理剤

美容業界ではカラーやパーマ。ブリーチや日頃のスタイリング・熱処理のある施術等メニューが多様化していく中でお客様の髪は色々な問題を抱えています。そんな中で美しく髪を保つべく、またやってみたい施術を叶えるべくお客様の髪の状態に合わせて多くのケア剤が先達やメーカーさんの努力によって開発されてきました。

美容業界ではそういったアイテムをトリートメント処理剤と呼ばれています。

トリートメントは一般に名前や効能が浸透しているとは思いますが、処理剤はまだまだ聞きなれない方も多いんじゃないでしょうか。

今回の記事ではトリートメントのおさらいや処理剤とはなんなのかについて解説していきたいと思います。

トリートメントってどんなもの?

トリートメントという名称は広く知られていますが、詳しい効能についてはどうでしょうか?リンスやコンディショナーとの違いは?処理剤との違いは?わかる方はそう多くはないのではないしょうか。

大多数の方がトリートメントという名称に持っているイメージは髪に良い物くらいの認識だと思います。

まずトリートメントと似たポジションのリンスやコンディショナーとの違いはとても簡単で髪の内部か外部に作用するかの差です。

トリートメントと言われるアイテムは基本的に内部と外部に作用します。リンスやコンディショナーは外部に作用します。髪のコーティングやキューティクル保護の専門性としてはリンスやコンディショナーの方が強いですが、現代日本では様々なダメージの要因を髪に持っていて髪内部に問題を抱えている方が多くいらっしゃいます。となってくると薬剤を使った施術を経験している方のほとんどはリンスやコンディショナーと比較するならトリートメントの方が適していると言えます。

両方やっていると方は先にトリートメントをしてからリンスやコンディショナーがお勧めです。

処理剤とは

私含めて多くの美容師さんがお客様に処理剤を説明するときにあまり処理剤とはいわず”髪に良い物”という括りでトリートメントとしてお伝えすることも多く見かけてきました。

本当は正しく説明するべきことなのかもしれませんが、ちゃんと説明しようとすると専門的な内容が増えてしまい『お客様に考えさせる』という負担を強いてしまうので悩ましいところではあります。

そんなサロンワークでの悩みはさておき

処理剤とは、カラーやパーマなどの施術前、施術中、施術後に使用される化粧品で、さまざまな役割を果たします。

用途としてお客様に一番知っていてほしいのは

”薬や熱を使った施術中でのダメージ自体を減らしてくれること”

”ダメージを受けた毛髪にさらなるカラーやパーマをする場合に栄養補給しパーマやカラーの作用する場所を新たに作り出すこと”

”施術後お客様がご自宅に戻られてから発生するダメージを減らしてくれること”

この3つになります。処理剤を使用することで毛髪の状態を維持・向上して家に帰ってからの綺麗な髪のお手伝いをし、次回の施術の助けにもなるのですごく大切な施術なのです。

処理剤は使用するタイミングが様々で薬剤施術が終わったあとにつけて時間をおくトリートメントとはことなります。次に処理剤の使うタイミングや効能を簡単に解説します。

1.前処理

前処理では髪のダメージを保護し、カラーやパーマの影響を受けにくくするために高分子のPPT(タンパク質)やCMC(栄養分の定着・潤滑剤)が使用されまた、薬剤の浸透を促進するためのpH調整や角質を柔らかくする成分が用いられこともあります。

2.中間処理

中間処理は、カラーシャンプー中や直後、パーマなどの2剤の施術前・後に行われます。1剤の残留成分を除去して2剤の反応を促進することで、酸リンスやクエン酸、ヘマチンが使用される。もう一つは、中間水洗のタイミングで1剤の成分を流して、髪の栄養成分を補給することでダメージ補修とスタイルの持続を促進するのに役立ちます。

3.後処理

後処理は、カラーやパーマが終わった最後のすすぎ直後やドライ前に行われ、直後はケミカル成分の残留を取り除いてご自宅での予後のダメージを軽減してくれます。残留した成分を取り除くためにクエン酸やキトサン、ヘマチンが使用される。さらに残臭の除去やカラーやパーマの持続、指通りやツヤに繋がります。

ドライ前に使用するものはグリオキシル酸、γ-ドコサラクトン、メドウフォーム-δ-ラクトン、シリル化ケラチンPPT、シリル化シルクPPTなど多くはドライヤーの温風の熱や、アイロン仕上げの熱に反応し毛髪内部に補修成分や補強成分が定着する仕組みになっています。
処理剤は基本的なカラーやパーマの作業に組み込んで行くので時間はほとんどいただきませんのでそこは忙し方にはメリットかなと思います。

トリートメントと処理剤についていかがだったでしょうか。

処理剤は表面をコーティングするような物ではないのでやった瞬間の劇的な変化はやはりシステムトリートメントには及びませんが、メイクに例えるなら処理剤は化粧水や美容液よりもっと根本のどんな食べ物を食べているか。システムトリートメントはファンデーションやコンシーラーなどに該当するかと思います。

システムトリートメントは根本改善しないから美容師さんのや一部トリートメントに詳しいお客様の間では意味がないなどと批判の対象になったりしますが私はそうは思いません。そんなこと言い出したらカラーもパーマも髪を悪くすだけって話に最終は行き着いてしまいます。

システムトリートメントにはそれに合わせた役割があるというだけで毛髪のダメージ回復もないわけではありませんし、一時的にでも手触りや香りを楽しむのはやはりモチベーションはあがります。気分を上げてくれるって大事ですよね。

ご予算やお時間が許すのであれば両方できたら一番良いんですけどね😆

大切なのはお客様がどんなスタイル・仕上がりを求めていてどれが必要なのかを教えてくれるプロがいるかどうかということなんだと思います。

内容が皆さんのヘアスタイルライフに役立てば幸いです。また次の記事でお会いしましょう。


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