ビルドアップとは

シャンプー、トリートメント、スタイリング剤などのヘアケア商品に含まれるシリコン、油分、ポリマーなどのコーティング成分で毛髪に被膜が形成されている状態のことを指します。
またビルドアップしつつある状態では水道水に含まれるミネラル分が付着しやすくなりさらに被膜が強くなることもあります。
何年か前にノンシリコンが流行っていた時はビルドアップした方は少なくなっていましたが、近年はシリコンがしっかり入ったコーティング重視のヘアケア商品が多く見受けられ、洗い流さないトリートメント、ヘアオイルをスタイリング剤として使用する等、ビルドアップされている方が多く散見されます。
適量のシリコン使用は、髪に滑りを与え絡まりや切れ毛を防ぎ安全で優秀な成分ですが、多量であったり蓄積しやすいタイプのシリコンの使用はシャンプーでは落としきれず被膜がどんどん厚くなってきます。
市販品やSNSで強力な被膜を形成するアイテムをよく目にしますが、シリコン、油分、ポリマー等のコーティング成分が悪いのではなく、適量や使い方が大事になってきます。
ビルドアップの原因
コーティング剤に対してシャンプーの洗浄力が弱い
良いシャンプーとされているのはアミノ酸系のシャンプーで洗浄力は強くありません。
ですのでコテコテにコーティング剤の入ってるトリートメントやアウトバスアイテムを使用されている方には洗浄力不足になってしまいます。
アミノ酸系のシャンプーを使って泡立ちが悪いと感じる方は見直すべきなのはシャンプーではなく他のコーティング剤や予洗い、すすぎの甘さの可能性が高いです。
シリコンを主成分としたトリートメント使用
シャンプーよりもトリートメントが先に無くなる方、洗い流さないトリートメントやヘアミルクなど多量に使用している方によく見られます。
基本的にトリートメントやアウトバスアイテムを使用するのは中間〜毛先のみで大丈夫です。必要以上の場所や量をつけないようにしましょう。
ヘアオイルの使い過ぎ
アウトバスアイテムの中では主流のアイテムのヘアオイルはシリコンが入っているものが多くつけすぎには注意しなければいけません。
濡れ髪的な仕上がりはオイルより水溶性のスタイリング剤でセットする方がデメリットは少ないでしょう。
またシャンプーの泡立ちが悪く感じる場合は数日オイルは休憩してもいいかもしれません。
ビルドアップ+水道水のミネラル
ビルドアップしつつある毛髪は水道水に含まれるミネラルが吸着しやすくなり加速度的に皮膜化を進行してしまします。
上記のような物が積み重なることで髪の毛が重たく見えたり、質感が悪化したりします。
これらの原因はそれぞれ独立してビルドアップするわけではなく、複合的に作用することが多いです。
適切な予洗いやシャンプー、すすぎを行わないと、シャンプーやトリートメント、アウトバスアイテムの成分が髪に残り、ビルドアップを加速させることになります。
トリートメントの香りを髪に残したい、髪に良い物だから流しすぎない方が良いという考え方をお持ちの人がいらっしゃいますがまさにビルドアップにつながる使い方と言えます。
適切な使用方法を理解し日常のヘアケアを改善することがビルドアップを予防し、改善する方法になります。
ビルドアップするとどうなる?
- 仕上がりが重い感じがする
- 2回以上シャンプーしないと泡が立たない
- ベタベタ、ヌルヌルしてドライヤーでの乾きがわるい
- 髪がボリュームダウンしすぎている
- 髪が光の乱反射を起こし綺麗に見えない
- 美容室での薬剤の反応がわるい(縮毛矯正、パーマ、のあたりが悪い。カラーの染まりが悪い。)
- シャンプー・トリートメントやアウトバスアイテムの使い始めは良かったが、効果を感じにくくなってきた。
- まとまっているように感じるが、艶やかさや軽やかさが失われている
- ごわつきやべたつきでスタイリングが難しくなる
髪の状態が良くない、扱いにくいことをダメージやクセだと思い込んでいる場合が見受けられますが、これらはビルドアップのサインかもしれません。

ビルドアップの解決方法

ノンシリコンシャンプーを使用する
ノンシリコンシャンプーを使用することで、髪の自然な状態を保ちやすくなります。
ノンシリコン+アミノ酸系界面活性剤のシャンプーは髪や頭皮の汚れを落としながら、髪の負担も少ないシャンプーです。
ただしすでに髪がビルドアップしてしまってる場合ではアミノ酸系のシャンプーでは洗浄力が弱い可能性があります、その場合はしっかりシャンプーを泡立てた状態で髪全体に泡を纏った状態で5〜10分くらい放置しておきましょう。
大体はそれで改善してくるはずですがまだ泡立ちが悪い場合は一度流してからもう一度同じことをやってみましょう。
ビルドアップが改善されたら髪からシリコン等の不要な物質が取れますので本来受けているダメージが浮き彫りになってきます。
髪がきしんだり、引っ掛かりを感じるかもしれません、ですがそれは髪が一度リセットされている証拠でもありますので髪が今ダメージを受けたからそうなったわけではないので焦らなくて大丈夫です。
ノンシリコンシャンプーは軽い仕上がりを実現できるため、髪がふんわりとしてボリューム感を保ちやすくなります。
ノンシリコンシャンプーにもしっとりやふんわりとした仕上がりなど種類がありますので、髪や頭皮の環境も加味して選ぶと良いですね。
定期的なクレンジング
重篤なビルドアップにはクレンジング用のシャンプーを使うと効果的です。
髪や頭皮に蓄積した成分や、硬水によるミネラルを取り除くことにも適していますので、通常のシャンプーでは落としきれない汚れをしっかりと除去できます。
硬水地域に住んでいる方やスタイリング剤を頻繁に使う方にはクレンジングシャンプーが効果的です。
※岩手県・関東地方・三重県・香川県・徳島県・大分県・熊本県・沖縄県が硬水地域とされています
これにより髪に付着した頑固な汚れを除去し、髪本来の軽さとツヤを取り戻すことができます。
クレンジングシャンプーは洗浄力が高いため使用頻度には注意が必要です、頻繁に使いすぎると髪が乾燥する可能性があります。
使用するホームケア製品や頻度を見直す
普段使っているスタイリング剤やホームケアの成分を確認し、蓄積しやすいシリコンや重いポリマー成分が含まれている場合は、軽い成分を含む製品に切り替えたり使用頻度を見直すのも良いかもしれません。
天然成分であるうえに保湿効果が高く、質感も柔らかいアルガンオイルやホホバオイルを配合した製品は不要な蓄積を防ぐ効果が期待できます。
使用例としては日常的には軽い仕上がりのホームケア製品を使い、週に数回だけ質感コントロールの強い物。このようにうまくコントロールすると良いでしょう。
シャンプーは洗い上がりのなめらかさより、すっきりと洗い上げることのできるノンシリコンが良いでしょう。
補修成分が入っているのは全然かまいませんが毛髪の内部に作用する補修なのか、毛髪表面に付着して補修したように感じさせるものなのか、は大きな違いになります。
毛髪表面に付着して補修改善したように感じさせるのがまさしくシリコンやポリマーになります。何を持って良いとするかは人それぞれなのですが一般的にみてビルドアップしている髪はあまり美しいとは言えないことは知っておいて良いかもしれません。
まとめ
ビルドアップとは髪にコーティング剤などが蓄積してヘアスタイルの美しさの維持に支障を来している状態のことを指しています。
シリコン自体には特に害はありませんし、適切な使用であれば髪を美しく見せることができます。
ビルドアップを避けるためには、髪に付着した分のコーティング剤はその都度しっかり落としましょう。そのためにはしっかり予洗+ノンシリコンシャンプーが大事、一度で泡立たない場合は予洗が足りてないかコーティング剤のつけすぎの可能性が高い。
ノンシリコンシャンプー後に髪きしんでるということはシリコンが入ってない+ダメージが進んでいるのが表面化したということ。
トリートメントやアウトバスアイテムはコーティング効果の軽さ重さのバランスを考えて日常使いと質感コントロールが強い物で使い分けよう。
くらの美容室ではもちろんノンシリコンのホームケアシャンプートリートメントをご用意いたしております。
他のホームケア製品としてはミストとヘアオイルをご用意いたしていますが、こちらはシリコンは含まれています。
ミストは補修成分+蓄積の少ないタイプのシリコン、オイルは補修成分+蓄積しないタイプ+仕上がり重視のしっとりサラサラのミックスシリコンオイルが含まれています。
オイルに関してはつけすぎは注意が必要ですが、予洗とノンシリコンシャンプーの使用で何ら問題はございませんのでご安心ください。

今回の記事はいかがだったでしょうか、重篤なビルドアップの方は数える程しかみかけませんが予備軍の方はけっこう多く見かけます。
今回の内容がお客様の美髪の参考になれば幸いです、ではまた次の記事でお会いしましょう。
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