髪質改善 レブリン酸

レブリン酸とは

レブリン酸(Levulinic Acid)は、自然由来の有機酸で、通常トウモロコシやサトウキビなどの植物から抽出されます。化学式はC5H8O3で、α-ケト酸に分類されます。レブリン酸は色々なところで使われていますが、特に美容や化粧品においてその効果は期待されています。

効果は加熱することで髪の毛のタンパク質と結合して安定化させる成分で、縮毛矯正やパーマ、カラーと一緒に使いやすいのが特徴です。美容室で使う酸としては最もゆるやかな酸のうちの1つです。
アルカリの除去や水素結合のサポートをしてくれます。

レブリン酸の効果

  • 保湿効果 レブリン酸は、髪や肌の保湿効果を高めるために使用されます。水分を保持する力があり乾燥から髪や肌を守るのに役立ちます。特に髪の内部に働きかけて髪の強度を増す効果が期待されます。また保湿といってもただ単純に水分を抱え込むわけではなく必要な分量だけ水分を保持してくれるのでダメージ毛の過剰な水分保持を抑制してくれます。多くもなく少なくもなく髪にとって良い効果を発揮してくれます。
  • 抗菌作用 自然由来の抗菌特性を持ち、製品中の保存料としても利用されています。この特性は製品の安全性を高めるとともに、肌や髪を清潔に保つ効果があります。
  • pH調整効果 レブリン酸は製品のpHを調整する役割を果たします。また適切なpHバランスを保つことで製品の安定性を向上させますし薬剤施術後の髪へpHの刺激を抑えることができます。
  • 肌や髪のコンディショニング効果 肌や髪を柔らかくし、キメを整える効果があります。これにより肌や髪の質感を改善しやわらかく滑らかで健康的な髪や肌を維持するために働いてくれます。

レブリン酸と髪の良い関係

レブリン酸はカラー施術やパーマ施術をしたバランスを崩している状態の髪をさまざまな角度から整えてくれます。

上記でもお伝えしましたがダメージヘアの余分な水分を取り除きながら、髪内部までしっかり浸透してサポートしてくれます。
他にはカラー剤との干渉も染まり上がりへの影響も少ないです、パーマや縮毛矯正等、他にもいろんなメニューとも併用できます。

レブリン酸の効果は髪を健康的な疎水状態にすることにあり、他にも髪表面にあるキューティクルにも働きかけ枝毛や切れ毛の予防になります。

艶やかで健康的な髪はボリュームアップして見えるかもしれません。

レブリン酸を上手に使うコツ

上手に使うコツはどちらかというと美容師さん向けの内容になりますが

pH4.5にすることになります、高くても低くても良くありません。働きが弱くなったり逆に強すぎて髪に負担がかかります。
そのためにも製品ごとに決められた使い方を守って、正しいpHで使いましょう。
もうひとつはアイロンの熱で脱水縮合(髪内部の水分を抜く)する事で髪内部が安定してハリやコシが出てくれます。とはいってもビショビショに濡れた状態からするのではなくドライヤーでしっかりと乾かしたあとにアイロンで水分を抜きます。

濡れているか乾いているかでアイロンで受けるダメージは全く変わってきますのでここは注意が必要です。

レブリン酸と水分の関係

      

髪に含まれる水分の内レブリン酸が作用する部分はある程度決まっています。髪に含まれるどの水分に作用するのか少し専門的な知識になりますので美容室をご利用されるお客様は「なるほどね〜」くらいで見ていただくと幸いです。

 髪にある水分の種類

髪の毛や肌に関連して、水分の状態はその性質や役割に応じて「自由水」「結合水」「吸着水」の3つに分類されます。それぞれの特徴を以下に説明します。

自由水

  • 特徴: 自由水は、物質内部で自由に移動できる水分です。簡単に蒸発しやすく、外部環境の影響を受けやすいのが特徴です。
  • 役割: 自由水は、髪や肌の弾力性や柔軟性を維持するのに役立ちますが、簡単に失われるため、保持するためには適切なケアが必要です。

結合水

  • 特徴: 結合水は物質内部の成分と強く結びついている水分で、比較的蒸発しにくいです。物理的または化学的にしっかりと結合しているため、外部の影響を受けにくいです。
  • 役割: 結合水は髪や肌の安定性を保ち、乾燥を防ぐのに重要な役割を果たしています。髪の内部構造を支え、ダメージを受けにくくする効果があります。

吸着水

  • 特徴: 吸着水は物質の表面に吸着された水分で、物質の表面を湿らせます。
  • 役割: 吸着水は髪や肌の表面に存在し、バリアの役割を果たします。水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激を和らげる効果があります。

これらの水分は、髪や肌の健康状態を維持するために重要です。日常のケアでは、これらの水分をバランスよく保つことが求められます。具体的には保湿成分を含む製品を使用することで、自由水の蒸発を防いで結合水を維持することが可能です。特に乾燥しやすい環境では、これらの水分を保つためのケアが欠かせません。

レブリン酸はとくに自由水の調整に働きかけてくれ、毛髪内部で失われている結合水に導いてくれる役割を果たします。

髪の毛は健康毛だと約12%の水分があります。その12%の水分のうち7%ほどが 自由水といわれ残りの5%が結合水といわれる水分です。

ビショビショに濡れた状態だと髪は約30%の水分を含みます。

私たちが毎日のケアとして大切なことは毛髪の水分を12%に安定できるように持っていくことなんですね。そのために毛髪内部や外部両方から髪を保護してあげて水分バランスを保っていきましょう。

毎日のケアが大切です「美は1日にして成らず」とはまさにといった感じですね。

くらの美容室では処理剤でレブリン酸を含んだアイテムを2種使用しています、パーマやカラーの際はトリートメントと一緒にぜひ施術に組み込むことをお勧めいたします。お客様の髪質改善の助けになればと思います。

今回の記事がお客様の美髪の助けになれば幸いです、次回の記事でお会いしましょう。


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